有給取りづらい、休みにくい雰囲気の会社ってありますね。僕は新卒でまさにそういう中小企業で働いていました。
2019年の4月から、5日間の有給休暇取得が義務化されるので、少しは有給が取りやすくなればいいですが、有給取りづらい会社の根っこのカルチャーって、結局変わらないと思います。
そんな有給取りづらい会社から、ホワイトな会社へ転職して、有給に対する考え方の違いに衝撃を受けたので、お話します。
有給休暇が取りづらかった最初の会社
僕が新卒で入社した最初の会社は、中小企業でしたが、半年後に有給の権利を得てからも、有給休暇はないようなものでした。有給がないどころか、土日もかなり働いていました。
例えば、新入社員研修を終えて、営業に配属されたんですが、「今度の土曜日に新規電話営業を1人500本やろうよ」と体育会系の上司が急に言いだし、
電話帳を見ながら、片っ端からかけました。
最初は嫌々なのですが、8時間くらいかけて500本やり終えたときは、同期一同、達成感で一杯でした。共にマラソンを走り切ったような連帯感です。上司は満足気でした。
でも、土曜日に迷惑な電話をしても、一人も新規顧客に結びつかず、ビジネスではなく、単なる自己満足でした。サークルじゃないんだから。
入社2年目にもなれば、平日は朝7時半から夜9時頃まで残業していました。
また、目標数字に届かなければ、土日出社してダイレクトメール作るのは当たり前でした。おかげで、A4の三つ折りが上手くなりましたよ。自主的に土日出勤する若手が上司に可愛がられました。
その頃、僕らがよく上司に言われたのが、
「ろくに自分の給料分すら稼げていないお前らは、会社の給与泥棒だ」
「権利というのは、義務を果たした者のみにある。
ということでした。
新人だけでなく、中堅になっても、大変そうでした。
入社8年目の中堅社員の先輩が、夏季休暇をとって旅行に行ったときにも、支店長はわざわざ携帯に電話し、
「いまどこにいるんだ?そうか夏休みか。忘れてたよ。
俺たちはまだ今月の目標できてないから、いま必死でやってるよ。いいよな〜、休めて。しっかり休めよ。」
と、嫌味を言っていました。
奥さんと楽しみにしていた旅行中にですよ。
(あ、先輩でも休み取るとこうなるんだ・・・)と思いました。ましてや、新人が有給なんて言いにくいのは当然です。
入社4年目の若い先輩も、普段は「そんな無理するなよ」「休んでも全然いいよ」というんですが、夜の飲み会の場では、
「俺が1-2年目の頃は、有給とか考えもしなかったけどな。」
「そう思わん?」
と言うので、ますます新人が有給取りずらい雰囲気となりました。昼間の発言は、そうやって新人のやる気を試していたようです。
そう思っていました。
飲み会が終われば、帰宅は会社の独身寮。食堂へ行けば、またさっきの上司。寝て起きて、テレ東のモーサテ見たらたらすぐ出社。そんな毎日なので、常に会社のことで頭がいっぱいでした。
一度、会社の寮まで上司と3人で電車で帰宅しているときに、唐突に手前の駅で、わざと何も言わずに電車から降りたことがありました。上司が窓から「おい、駅まだだぞ。間違えてるぞ」と驚いて見てました。今思うと、変すぎる失礼な行動でしたが、一人になりたくて、心が黄信号出していたのかもしれません。
そんな状況でしたので、
と言い聞かせていました。
転職した2回目の会社で衝撃を受けた
その最初の会社で約3年働きましたが、本当にやりたいことがみつかり、転職しました。(そのときの面接のことも後半に書いてます)
その2社目は大手企業だったのですが、勤務面で衝撃だったのが、
土日出勤なし?
平日7時半?
計画年休6日?
・・・マジか。
昼12時になるとチャイムが鳴り、、
前の会社では、「会社はお金を稼ぎにくる場所」で常に戦闘モードなので、「早飯も芸の一つだ」と言われ、すぐに営業に行くのが普通でした。
僕にとって一番衝撃だったのは、会議で、
上司が「今月中に、必ず休ませます」と、神妙な顔で言うので、最初、唖然としました。
休めないほど忙しいわけでは全くなく、部下は単にいつ休むか決めていないだけの話でした。
前の会社でも、「今月中に、必ずやります」
しかし、それは常に「目標の営業数字」の事でした。
ある日、僕も皆と同じように、上司に「来週の金曜日、休ませていただきたいんですが」というと、
「了解」
それだけでした。何の理由も聞かれません。
「有給なんて言い出しにくいし・・・」と、最初の頃は躊躇していたのが馬鹿馬鹿しかったです。
むしろ、「なりゆき(僕の名前)。お前は、有給消化が遅れてるんだから、もっと休んでくれよ」と上司に言われました。
会社によって、有給休暇の扱いがこうも違うのか、と思いました。
有給の取らせ方で、「社員を財産とみるか、会社の駒とみるか」が一目瞭然です。
こういう違いは、まさに企業のカルチャーであり、有給義務化で制度が変わっても、根っこの部分は、
そういうカルチャーの会社では、有給義務化の抜け穴を探します。
例えば、普通の会社なら別枠であるべき「夏季休暇2日と、年末年始休暇3日を義務化の5日間にあてて終了」となる可能性があります。
休みたい日に休めない。そんな普通の幸せを何年も捨て続けると、いつか心が病みます。断言しておきます。
でも、普通のホワイト企業に転職すると、
僕がこのホワイト大企業に転職した時の経緯や、面接の様子を書きます。人生の転機が訪れたのは、社会人4年目、27歳の頃でした。
最初の転職活動の話
よく「最低3年働け」とよく言われるので、最初のキツい中小企業で我慢して3年間働きました。
入社4年目ともなれば、新人の面倒も見ることなり、「仕事の手本を示せ」と言われ、責任感も増してきます。
でも、心が今の仕事からどんどん離れていきました。
その時点では、まだ転職を考えていなかったんですが、
そう思ったら早く、数日かけて履歴書と職務経歴書を練り上げました。
職務経歴書作っていると、不思議とすぐに転職できる気持ちになってきました。
昼間の上司の話も、不思議と受け流すことができました。
「別の選択肢が、俺にはあるんですよ」と思うと、気持ちがとても楽になったんですね。
まだ何も決まっていないし、ただ登録しただけなのに、いつもの会社の風景が違ってみえました。
そして、満を持して、何社か応募しました。
結果は・・・全敗でした。書類の時点で落ちてばかりでした。
職務経歴書の書き方がおかしいのか、年齢が既に遅いのか、
5社くらい応募して、まったく面接にもたどり着けませんでした。
新卒採用のときは面接まで行けたのに、第二新卒になると、急に厳しさを知りました。
ヤバいかも。誰かに相談したい。
切羽詰まってきて、転職エージェントに相談することにしました。
今まで、転職エージェントというのは、
なお、その時の年収は27歳でボーナス込みで約400万円でした。
27歳にしては低くはないかもしれませんが、土日残業含めた仕事量の割に高くもありません。
そのとき僕がリクルートエージェントを選んだのに深い意味はなく、
すぐに、エージェントの方と初回面談をしました。
初めての転職エージェントとの面談
エージェントの方は45歳くらいの男性で、
今でも、顔も名前もよく覚えています。自分のやりたい仕事を本音で伝えました。
「未経験では難しいかな ・・でも探してみます。いいのが見つかったら連絡します」
「
と言われました。もちろん、面接することにしました。
不思議な感じでしたが、とにかく頑張ろうと思い、面接の準備をしました。
その会社は、今より遥かに大企業で、
初めての転職の面接・・・
面接は、2対1でした。相手は、部門のリーダーとそのヘッドでした。
こちらの都合を優先し、わざわざ土曜日に面接を設定してくれました。
面接が平日にかぶると、有給を取りづらい会社なのでとても助かりました。
転職活動で仮病する必要がなく、安心しました。
面接では、
「どういう成果を残したのか」
「それだけ働いて、どうやって休日に気分転換しているのか」
「なぜ転職したいのか」
「なぜうちの会社なのか」
「異動することもあるが、大丈夫か」
など、一通り聞かれたのですが、事前に準備していたので、悪くない雰囲気でした。
成果なんて、大したものは無いのですが、何とかひねり出しました。
この会社で充実して働く姿を、ふとイメージしました。
しかし、面接の後半で、
と何故か言われて、必死で御社で働きたいことを伝えました。
なお、年収については、大企業だし下がることはないだろうと思い、こっちからは何も聞きませんでした。
面接が終わり、ビルから出ていくとき、
と微妙な気持ちで社宅に戻りました。
半分諦めたまま過ごしていたのですが、2日後、外回り中に、エージェントから電話がかかってきました。
「なりゆきさん、今よろしいですか。おめでとうございます。先方企業から、
「本当ですか?!」
「なりゆきさんのご意向はいかがですか?」
「もちろん、働かせていただきます!」
ダメかな、と思っていたので、本当に、嬉しかったです。
そして、僕に対する企業側の評価も教えてくれました。
「先方からは、「27歳で、未経験の若手としてはギリギリだけど、
「ありがとうございます!頑張ります!」
(27歳でギリギリか・・・)
涙がじわっと出てきました。
社会人になって、いい年して、泣いたことなんてなかったんですが、今までの我慢、不安、緊張がどっとあふれ出てきた感じでした。
たかが転職で、いま考えたら大げさなんですけど、
付き合っていた彼女にも、このことをすぐに電話で伝えました。
僕よりも喜んでくれ、なんと彼女もその場で泣きました。
その彼女は、今は僕の妻です。
僕の場合は、やりたいことを基軸にしていたので、年収アップが直接の目的ではなかったのですが、結果的に、年収はその年に、一気に210万上がり610万円になりました。
しばらくして、結婚式を挙げ、マンションを買い、無事に子供も生まれました。
宿泊代が安い平日に有給とって、家族旅行に行けるようになりました。
まとめ。有給取りづらい職場で、同じように悩んでいる若い人へ
有給が5日間義務化されても、企業のカルチャーは簡単には変わらないので、今後も有給取りづらい雰囲気は続くと思います。
僕もそんな会社で悩みながら働いていましたが、転職したら一発で悩みは解決しました。27歳で動き始めていなかったら、今頃どうしているのか。ゾッとします。
未経験の場合、27歳で「ギリギリ」と言われました。未経験の転職には、業種によって、見えない期限があります。
今は、20代の7割が一度は転職、又は検討しています(DODA ホンネの転職白書)。
従って、25歳を過ぎてまだ何の転職サイトにも登録してないなら、「このまま私は今の会社で一生働いてもいいです」と宣言してるようなものです。もしそうなら良いです。
そうでなくて、25歳でまだ他の企業に興味があるならなら、僕の経験だと、少し急がないとヤバいです。
せめて、リクナビNEXTなど、大手転職サイトに登録だけでもしておいた方がいいです。少なくとも、明日からニーズにあった求人メールを受け取れます。
今の会社がつらい人は、転職サイトに登録したり、転職エージェントに相談して聞いてもらうだけで、気持ちが少し楽になります。いざとなれば逃げられる道を作っておくことが、心が病まないコツです。
そして、僕のように「書類さえ通らない」状況になったら、自分一人であがいても、もはや手遅れです。病気になって、自力で治そうとしているようなものです。
すぐにエージェントに頼るべきです。
エージェントを使うときに、入社2-3年目でも気兼ねする必要はないです。実際、優しかったです。
大手であれば、どこでも似たり寄ったりですが、僕の場合は、リクルートエージェントに紹介してもらい、